そもそも運動の苦手さとは具体的にどのようなことを示すのか、みなさんはご存知でしょうか。

運動療育という分野を中心に子どもたちに療育支援をしていると、職員に対しても時々、このような質問をすることがあります。

それはなぜかというと、子どもたちの運動の苦手さと発達障がいに関連する協調運動の苦手さの定義がハッキリしているのか、それとも曖昧な感じのまま療育に携わってしまっているのかを確認するためです。

私たちは「療育のプロ集団を目指す」と言いつつ何ら努力してこなければ何の意味もないわけで、療育に関わる方ならわかると思いますが、保護者の方の方がめちゃくちゃ勉強されているし、知識も多く持ち合わせているケースは多々ある話なのです。

でも、それで本当に良いのかという疑問符を投げかけながら、私たちは療育のプロ集団を目指すべく、日々学びながら支援をしているのです。

それでは、運動の苦手さと協調運動の苦手さについて少しお話をしていきたいと思います。


発達性協調運動障害とは

運動の苦手さとはズバリこれだと考えています。

発達障がいに関することを学んだ人なら1度は耳にしたことがあるかと思います。

まず、この言葉の意味から説明しておきます。

運動面んも困難な子どもは、様々な原因によって困難さが表れているものと思います。

それを大きく3つに分けると、

①脳性まひや筋ジストロフィーのように中枢神経系や筋に異常がある場合

②知的障害があり、発達全般に遅れがある場合

③知的な遅れや神経、筋などに異常はないが運動の制御や協応に困難さがみられる場合

このうち、③は「不器用な子どもたち」として取り上げられることが多く、それを国際標準的には「発達性協調運動障害」と呼ばれるようになりました。

※参考:松原豊、2012『知的障害児における発達性協調運動障害の研究』

子どもたちの不器用さ、つまり発達性運動協調障害の発見はより早くの方がよく、それは困難さに気がつかず、支援が遅れてしまうと、学校ではいじめの対象になったり、失敗体験が増え、自信をなくし自己イメージが悪くなってしまうことに繋がっていきます。

しかし、その早期発見をすることが難しく、それは運動の要素が多面的であり、複合的であることから単に運動が苦手なのか、協調運動が苦手なのかの見極めがなかなか難しいのです。


運動発達は子どもの発達全般に大きな役割がある

子どもたちの運動発達をみてみると、5歳から7歳にかけて特に運動能力は飛躍的な発達がみられます。

子どもたちは成長にともない、走り、跳び、登り、投げるなど様々なことに挑んでいき、自転車に乗る、泳ぐ、スキー、ダンスなどより複雑な活動に挑戦していくことになるのです。

これらの活動を楽しみ、満足させるには洗練されたリズム感覚、バランス感覚、協調運動なdの能力が要求されます。

そして、これらの技能は集団活動にも関係し、習得した技能を活動しながら他の子どもと集団で遊ぶことによって、「役割」の交代、「協力」、「指示に従う」などの社会性を学んでいくのです。

また、ゲームをする中で「ルール」を守ること、「勝ち負け」を意識することを学んでいくことになります。

しかし、運動面の発達につまづきがある子どもたちはこれらの能力がうまく養われない可能性もあり、その場合、毎日の生活の中でこうした様々なことにチャレンジする意欲をなくしてしまう可能性もあるのです。

運動面の困難さのある、特に協調運動を必要とする運動の苦手さがある子どもたちの中には、協調運動を必要とする日常生活の部分的な動作も著しい苦手さが生じる可能性もあるのです。

※参考:上記文献と同じ。


感覚の過敏性と運動発達

実際に私たちの運営する事業所に通う子どもたちの中にも多く存在するのですが、感覚の過敏性と運動発達に関して何らかの関連性がある場合があります。

そもそも協調運動とは、目と手、目と足というような複数の感覚器官と身体を連動させて行う働きであり、もし、運動や知覚に異常があると、感覚による入力⇒言葉、文字、身体運動として出力⇒そこで得られた結果の入力(フィードバック)が上手く働かず、運動にも、知覚にも、認知の獲得にも影響を与える可能性があるのです。

例えば、触覚過敏のために遊具に触ることができない、他事との接触を拒否する、前庭覚の過敏性によってブランコなどの揺れ遊びや高いところに登ったり、降りたりすることができない、聴覚過敏のため、騒音のするような集団活動が苦手など。

※参考:小西行郎、2011『発達障害の子どもを理解する』

私たち支援者は子どもと接するとき、どのような視点で接するでしょうか。

単に高いところが苦手なんだね、敏感だからあんまり触りたくないんだね、などとしてそれをスルーしてしまっていないでしょうか。

そこを何の評価もせず、そのままやり過ごしてしまうことは発達性協調運動障害の早期発見のチャンスを支援者が放棄してしまっていることになります。

特に児童発達支援(就学前児童の療育支援)を運営している事業者の方々にはここを十分に知っておいてもらい、発達障がいの子どもたちの運動面の苦手さや特性に限らず、協調運動の苦手さの有無をしっかり見て欲しいのです。

もし、思い当たるような点があれば、それをすぐに事業所内でカンファレンスにかけ、発達性協調運動障害の可能性について検討し、場合によっては保護者や幼稚園、保育園などの先生たちとの担当者会議等でも議題にし、しっかり支援をしていく必要があるのです。

子どもたちは苦手さを言葉にして表現するよりも、実際の身体の動きやアクションで表現しようとします。

これを私たちは決して見逃してはいけないのです。

このSOSをしっかり見逃さないことが本当に重要になってきます。


4つの運動

最後に運動発達の状況を把握する上で知っておくべき4つの運動機能とその代表例を少しお伝えしようと思います。

①姿勢制御

片足で立つ、平均台をわたる等

②移動運動

ジャンプ、走る、止まる等

③操作運動

ボールを投げる、蹴る等

④協調運動

ボールを捕球する、合図でスタートする、動作の模倣等

これらは一部ではありますが、この4つの運動は非常に重要な指標の1つになるかと思います。

参考:勉強会「姿勢」原因と対応 自宅療育勉強会:8月20日午前の部、午後の部

支援者、特に児童発達支援で運動療育支援に当たる方々についてはこの4つの運動と発達性協調運動障害については絶対に知っておいて欲しいと思います。

この協調運動の苦手さを子どもたちが表現しているにも関わらず、そのままにしてしまってはいけません。

私たちも完璧ではありませんが、日々学びの機会は設けています。

他の事業所の方々についてもぜひ、学びの機会をそれぞれ設けて頂きたいと思います。

記事:Childheart-KANSAI GM 北村耕太郎

参考文献:松原豊、2012『知的障害児における発達性協調運動障害の研究』

小西行郎、2011『発達障害の子どもを理解する』


チャイルドハート関西グループでは、医療型療育園で28年を過ごした言語聴覚士、療育に携わり10年となる保育士のほか、全てのスタッフが子供たちの発達を支援するために全力を尽くしています。

ここでは各事業所の代表的な職員たちをご紹介します。

チャイルドハート関西GM

兼チャイルドハート豊中桜塚管理者

北村耕太郎

肢体不自由児の長男と医療型療育施設に0歳児から付き添い始めたことで早期療育の重要性を感じ、卒園を契機に「大切な人を通わせたいと思える療育施設を創る」ことを目指し、チャイルドハート関西GM兼同豊中桜塚管理者に就任。関西グループ全体のマネジメントのほか、子供たち1人、1人を大切にした療育のプロ集団を目指し、人材教育も担当。その他、発達障害と触法行為をテーマとした研究会幹事、全国で講演活動等も行う。元広島県警察、大阪府警察。


事業所スタッフ紹介

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医療型療育園で28年のキャリアをもつベテラン先生。言語聴覚士としても14年となり、チャイルドハート豊中桜塚では療育的な要素を取り入れた遊びや保育に力を入れつつ、発語が遅れている子どもたちを中心にことばの療育支援も実践中。特に障害をもつ子供たちの兄弟支援にも力を入れており、家族にも寄り添うことを決して忘れないのが合田先生。


チャイルドハート長田

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保育士

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保育士として8年を過ごし、子供たちを想う気持ちはだれよりも負けず!子供たち1人、1人を大切にした運動療育を行い、子供たちが「毎日楽しい!」と思ってチャイルドハート長田に来てくれるような、そんな療育の場にしたいと意気込み中!グループ最強の癒しキャラでありながら、子供を大切にする気持ちもグループ最強!


チャイルドハート長瀬

〒577-0818

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☏  06-6730-8683

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指導員

古地 大樹

関西外国語大学卒の22歳、大学在学中に青年海外協力隊として難民施設等に行き他にも東南アジア3か国でボランティア活動を行うなど海外経験が豊富。学生時代にスイミングスクールの先生をするなど運動も得意。チャイルドハート長瀬では英語も組み入れていき、療育を受けながらグローバル社会にも適応できる力の養生もしたいと気合十分。


チャイルドハート新深江

〒537-0002

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保育士

萩原 路子

保育士になり20年、療育分野では10年になる萩原先生。子ども大好き、遊ぶの大好き!誰よりも子どもかもしれない、でも療育に対しては「できないことができるようになるためのお手伝いを全力でします!」と言い、萩原先生も凸凹の4人の子供たちを育ててきたお母さんであることから、お母さんの気持ち、お困り感も共感できる先生。療育に対する熱意は間違いなくグループナンバーワン!


ぜひ、見学、相談に来てみてください